先日プロ野球のロッテ対オリックスの試合において、雨の中強行開催した中で試合途中雨天コールド負けとなったオリックス中嶋監督が審判に大激怒したとの記事が出ました。
グラウンドコンディションの悪い中での試合は選手の怪我にも繋がりますし、最初から開催しないほうが良かったとの見方もできるかと思います。
記事内では監督が試合後審判に詰め寄ったとありますが、実際には誰が試合中止を判断しているのでしょうか?
試合開始前の中止の判断は主催者側に
今回のケースで言うと試合前の判断はロッテ側に
試合前に中止を判断する権限はホーム球団側にあります。
ですので、今回の例でいうとロッテ球団側に試合中止を判断する権限があったということです。
そういったことを考えると「こんな状況でハナから試合すんなよ」という意見を審判にぶつけるのは少々気の毒ではあります。
判断基準は状況によって異なる
シーズンを通してあまりにも中止が多く、シーズンの後半の日程が過密になっている場合などにおいて、厳しいグラウンドコンディションでも試合を開催することが多々あります。
試合に絡めたイベントの存在が大きかったか
最近のプロ野球はただ野球の試合をするだけではなく、当日に様々なイベントが行われています。
今回の例でいうと習志野高校吹奏楽部が来場し、ロッテの応援に参加するというものがありました。
日程が延期されるとそういったゲスト側とのリスケも必要となってしまいます。
プロ野球もお客さんをいれる1つのエンタメ興行であるという見方をすれば、営業側とすれば企画したイベントがある以上、多少無理してでも開催したいと判断することもあるのではないでしょうか。
試合が開始されると審判が判断を行う
試合中は中断、中止ともに責任審判が判断する
試合が開始されると、その試合を一時中断するのか中止するのかは責任審判が判断します。
責任審判=主審ではなく、塁審の誰かということもあります。
今回の例でいうと二塁塁審の敷田さんが責任審判だったため、試合途中での中止の判断を下したということになります。
独断ではなく、他の審判や球場スタッフとも相談の上決めている
下した判断の責任を持つのは責任審判ですが、すべて独断で決めているわけではありません。
待機している控え審判が天気予報を追っていたり、グラウンド整備をするスタッフとグラウンドコンディションを相談したりしたうえで判断をしています。
そのあたりを元審判員の方が解説した記事もありました。
今回の例は審判も抗議もどちらも妥当
審判としては始まる前に中止にはできないので、始まった以上やれるところまで、という判断になるかと思います。
今回は雨もかなり強く、試合中の選手も足を取られるほどグラウンドコンディションが悪化していたので、試合途中での打ち切りは妥当であったのでは無いでしょうか。
一方で、それらのルールがあるからこそ、中嶋監督の審判への講義も「最初から中止にしとけ」ではなく「中止の判断はもう少し待ってほしい」といった内容を二塁塁審の敷田さんへ伝えた訳です。
抗議をして結果が変わることはまずありませんが、言っている内容と伝える相手はどちらも筋の通った抗議をしていると言えます。
まとめ
今回はプロ野球の雨天中止の判断をするのは誰なのかというお話でした。
純粋にアスリートのパフォーマンスを楽しむスポーツである一方、チケットやグッズを売って利益を出して年俸を払ってというビジネスでもある側面を考えると難しい問題でもあると思います。
一人の野球ファンとしては選手にとって安全な状況でプレーしてもらえれば嬉しいのですが・・・。